樹木希林「自分に起こる大半のことは、自分に原因があるんだからね」
今年はなんだかしくて嫌な年です。
あの大女優である樹木希林さんが亡くなってしまいました。
実感というものが未だに湧きません。
何か映画を観れば樹木さんが出演されるのではないか···と期待を抱いてします。
樹木さんの存在は本当に偉大です。
彼女の生き様は、何か人を惹きつけるようなそんな力があるように思えます。
そんな素晴らしい女優である樹木さんからは、学ぶべきことが本当にたくさんあります。
彼女の凄さから、自分自身の人生の道標を見つけられるのではないでしょうか。
自分に起こる大半のことは、自分に原因がある
「ややこ。自分に起こる大半のことは、自分に原因があるんだからね」と母は私に教えてくれた。そして、混乱していく私に、
「自分が変われば、周りも変わってくるの。だから相手に何かを求めるんじゃなくて、自分が変わる様に努力するの。わかる?」
といつになく丁寧に話してくれた。
樹木希林さんの娘である内田也哉子さんのエッセイ ’ペーパームービー (講談社文庫)
’ という本の一文です。
この言葉は、私達にとってとても大切な言葉なのではないでしょうか。
周りのせいにしていたって、何も変わらないんですよね。
そしてこの文の後に也哉子さんは、このような文を書いています。
私は落ち込んだり、立ち直ったりの繰り返しで人生のうちの半年間というほんの少しの時間を、果てしなく長ーいものに感じていた。
この一文を読んで、「現状に悩んでは立ち直ってを繰り返しているのは自分だけじゃないんだ、皆そうなんだ」と安心感をもらいました。
現状がどんなに辛くたって、きっと大半の原因は自分にある。
だからって不貞腐れるんじゃなくて、現状を変えるためにも自分自身に出来ることがきっとあるはずだから
悩んで落ち込んで、また立ち直ってを繰り返したって良いじゃない。
自分だけじゃないよ、皆そんな繰り返しで生きているんだから。
也哉子さんのペーパームービーはとても面白いです。
まさか樹木さんと内田さんから生まれたとは到底思えないようなゆったりとした雰囲気を醸し出しているような文章でした。
とても読みやすく、そして「愛ってものは、こういうふうな人の周りに溢れるものなんだなあ」としみじみ思わせてくれました。
本木雅弘さんと内田也哉子さん。
この二人の馴れ初めは本当にドラマのようで憧れました。
きっと彼女の書く文章だからそう思うのかもしれませんが、本当にこんなドラマのような馴れ初めが現実にあるのなら、きっと私達の周りにもドラマのような出来事が起こっても何ら不思議じゃないんだろうな・・そう思います。
※ちなみに樹木希林さんが亡くなったことで馬鹿みたいに値段が高騰してます。
もうどこ探してもないので読むならKindleが正解です。
「有難い」とは難が有ると書く
私は「なんで夫と別れないの」とよく聞かれますが、私にとってはありがたい存在です。ありがたいというのは漢字で書くと「有難い」、難が有る、と書きます。人がなぜ生まれたかと言えば、いろんな難を受けながら成熟していくためなんじゃないでしょうか。
〜略〜
そういう難の多い人生を卑屈になるのではなく受けとめ方を変える。自分にとって具体的に不本意なことをしてくる存在を師として先生として受けとめる。受けとめ方を変えることで、すばらしいものに見えてくるんじゃないでしょうか。
不登校新聞より
現実って本当に嫌なことが平気で起こるんですよね。
できれば自分が常に平和で楽しく有りたいのに、構わず嫌なことが平気で起こる。
時々泣きたくなっちゃいますよねえ。
でも、樹木さんはそういうとき「師」として受け止めているんです。
すごいですよね。
「難」は自分を成長させてくれるための存在だと捉えているんです。
「難」は自分を成長させてくれる師であり先生だと捉えているんです。
なんだかそう思うと日常が過ごしやすくなりますよね。
ムカつくあの人も、最悪なあの出来事だって自分には実は必要なのかもしれない。
誰かと自分を比べるような、はしたないことはダメ
誰かと自分を比べるような、はしたないことはダメ
すみません、これは樹木さんの言葉じゃないんです・・・
インタビュアーさんの言葉なんですけどもすいません
まわりと自分を比べて恥ずかしいだなんて思わない。おねしょだって恥ずかしいとは思ってなかった。こういう価値観を持てたのはありがたかった。勝因とさえ言ってもいい。
樹木さんとこのような話をしていて「誰かと自分を比べるような、はしたないことはダメ」という言葉が出たんです。
私ね、比べるんですよ人と自分。
嫌でたまらないのにこれがなかなか直らない。
もう嫌んなっちゃうくらい本当に困ってる。
でも「はしたない」んだ、この考え!って思って目からうろこですよ。
誰もが当たり前に抱く感情なのかもしれないけど「はしたない」んだってさ。
女として「はしたない」ことはしたくないよねえ。
もちろん男性だって「はしたない」人よりは品があったほうが良い。
「はしたない」とまで言われちゃあ直さなきゃだよね。
時代の波とか流れに影響されてくつもりはない
時代の波とか流れに影響されてくつもりはないわけ。そうやってきて、55年たってもこうしてまだ生かしてもらってるっていうのは、これはまた、上出来、上出来、の人生じゃない?
宣伝会議より
我を強く持つことで、もしかしたら不都合が生まれるかもしれない。
でも、樹木さんはそれでも何十年もあの世界で続けてこれた。
周りの環境や世の中のせいにする前に、私たちは地に足つけて、自分の行動に責任をもたなきゃだめなんだと思う。
文句を言うことはこれからもたくさんあるかもしれないけど、でも諦めたくはないよね。
世の中がどうだとか、周りがどうだとか、そう思って他人に責任転嫁することだけはしたくないなと思う今日このごろ。
樹木希林という存在
映画を観ていて樹木希林さんが出ると、「あ、こういう人っているよね」って思ったりする。
樹木さんという存在は、いやに現実的でとてもリアルだと思う。
そう思わせてくれる女優さんは樹木さんだけなんじゃないかな、とも思った。
樹木さんの言葉は薄っぺらじゃなく、経験から基づいた言葉だから本当に胸に刺さるんです。
私がまとめたことで樹木さんの言葉が薄っぺらく感じてしまったならすみません。
でも、樹木さんの言葉には人を救ってくれるような力強さを感じます。
樹木さんの言葉を知ると、まだまだ自分が知らないだけで人生捨てたもんじゃないかもなあ!と思わせてくれます。
できればもう少し、元気な樹木希林さんを観たかったです。
長い間お疲れ様でした。
樹木希林さんのご冥福を心よりお祈りいたします。